土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
長期高解像度再解析に基づく瀬戸内海内部流動と幼稚仔分散過程の形成メカニズムに関する研究
小硲 大地内山 雄介御手洗 哲司
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1273-I_1278

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抄録
 JCOPE2-ROMS2段ネスト瀬戸内海モデルによる8年間の長期再解析結果を用いた3次元Lagrange粒子追跡計算に基づく幼稚仔分散解析を実施し,周辺外力である黒潮流路変動,風応力および潮汐が瀬戸内海の内部流動および幼稚仔分散の変動特性に及ぼす影響を定量的に評価した.足摺岬および潮岬における黒潮離接岸変動は通過流の消長を通じて瀬戸内海東部海域の幼稚仔分散距離を増大させるなど,経年変化(特に夏季)に影響を及ぼす.冬季の強い北西風は瀬戸内海全体の時計回り通過流を強化し,瀬戸内海全域で幼稚仔を紀伊水道方向へ輸送する.西部海域の一部では北西風に対する南西方向のエクマン輸送の影響を受ける.潮汐は鉛直混合を強化して時計回り通過流を抑制し,幼稚仔を湾灘内部に残留させる傾向にある.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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