土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
月別外力再現計算を用いた西表島北西部海域のウミショウブ分布条件の評価
中瀬 浩太村上 智一河野 裕美鵜飼 亮行水谷 晃下川 信也
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1429-I_1434

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抄録

 八重山諸島に分布する熱帯性海草ウミショウブEnhalus acroidesは環境省レッドデータブックの絶滅危惧II類に掲載されている.本種は種子による分散力が低いことが知られており,本種の保全には分布可能条件を明らかにする必要がある.本種の2013年の群落分布と,SWANによる2015年の1年間の月ごとの有義波高と底面流速分布の再現計算結果とを比較し,これらによりウミショウブの分布を説明することができた.また,海域が静穏である6月の外力状況ではウミショウブの分布可能とされた範囲は過大であったが,台風などのイベント発生時期や冬季の高波浪時の外力を用いると分布判断のエラーが少なかった.1989年に調査された分布と2013年の分布を比較したところ,外力の外縁部で群落が消滅していた.

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