土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
太平洋岸沖合のGPS波浪計記録を用いたMSM風/SWAN波浪推算システムの適用性の検証
野中 浩一山口 正隆井内 国光宇都宮 好博日野 幹雄畑田 佳男
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_151-I_156

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抄録
 気象庁MSM風資料と第3世代モデルSWANよりなる波浪推算システムを地形解像度0.1°の格子網のもとで2009年~2012年の4低気圧と6台風およびそれ以前の3台風に適用し,東北から四国の太平洋岸10~20km沖合に設置されたGPS波浪計による観測波高・周期時系列との比較検討から次の結果を得た.1)波高の推算値は観測値におおむね追従するが,周期の対応はやや低くなる.2)台風通過時に推算値は観測値の急増減に十分には応答しないことから,観測値より大きい値を与える.3)上記の特性が誤差統計量に反映されるため,台風の影響が大きい西側地点で推算値の過大評価がやや目につく.4)ストーム時最大波高に対して推算値は観測値と±20%の相対誤差内で符合する.5)第2世代モデルYH3も最大波高に対してSWANと同程度の対応を与える.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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