土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
太平洋岸沖合のブイ観測風資料を用いた気象庁MSM風資料の精度評価
山口 正隆野中 浩一井内 国光日野 幹雄畑田 佳男
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_157-I_162

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抄録
 近年,気象庁により公開されているMSM(Meso Scale Model)に基づく高地形解像度風資料(MSM風資料)の精度を海上部で検証した事例はほぼみかけない.本研究では,1時間間隔のMSM風資料とわが国太平洋岸沖合の広い範囲に展開された4基のブイで取得された10年間前後の観測風資料を期間全体および36ストームについて比較検討し,つぎの結果を得た.1)長期のMSM風速・風向はそれぞれの観測結果と全体平均としてよく符合するが,低風速時にばらつきが大きく,高風速時に対応が向上する.2)MSM風資料の精度はモデル条件の高度化がはかられた最近のものほどやや高くなる.3)個々のストーム時にMSM風は観測風の経時変化によく追従し,良好な対応を与える.暴風ケースでは,両者の対応は一層向上する.4)要するに,MSM風資料の精度はストーム時最大風速を含めてかなり高い.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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