論文
大洗港における沿岸固定式波力発電装置の実証試験
2016 年 72 巻 2 号 p. I_1531-I_1536
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1531-I_1536
本研究は，茨城県の大洗港外における，ポイント・アブソーバ（以下，点吸収機）型の沿岸固定式波力発電装置の開発・実証を目的としたものである．点吸収機は，上下運動するフロートが，中心軸に対して行う相対運動を利用して発電する方法で，最大の利点は，吸収効率が高いことと波向き依存性がないことである．この高効率は，アンテナ効果（点吸収機効果）と呼ばれる定理によるもので，フロートを波に同調させることができれば，最大で，波長/2πの幅の波パワーを吸収できる．我々は，ボックス型のフロートを使い，さらに吸収式（無反射式）造波装置で多くの実績を持つ，波センサーによる吸収制御方法を，世界で初めて，点吸収式波力発電装置に適用し，きわめて高効率の発電結果を得ることに成功した．
