土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
遠州灘東岸域を対象としたVHF帯海洋レーダ観測による津波検知に関する考察
坂井 伸一松山 昌史
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1717-I_1722

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抄録

 遠州灘東岸域を対象にVHF帯の海洋レーダ観測を実施し,抽出した代表的な海域流動分布に対して南海トラフ巨大地震を想定した津波シミュレーション結果を重ね合わせ,得られた疑似津波観測データを基に津波伝播特性や津波検知指標の有用性について検討した.その結果,津波は主として南東方向から沿岸に伝播し,地震発生後20分程度で沿岸に到達することがわかった.また,海洋レーダ観測による視線流速と水深から算出した最大津波高を指標とすることで,津波による流速の時空間的な変動を把握できることが確認された.VHF帯の海洋レーダを用いる場合,地震発生後5~15分程度で津波を検知可能であり,津波が沿岸に到達するまでの猶予時間は5~15分程度であることが示唆された.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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