抄録
HPCIによるリアルタイム津波浸水・被害予測の実現において,2次元非線形長波理論による津波コードを用いて全国沿岸を対象とした10m格子高精度津波浸水予測を10分以内に実行するためには,2 Pflop/s程度の計算機が必要であることを明らかにした.この計算量を大幅に削減するため,解析領域及びネスティングの形状を従来の矩形から多角形に拡張し,高精度解析の対象とする地域を津波の遡上しうる沿岸域に限定することで,広域津波解析に適した効率的な解析手法を構築した.また,既存モデルに対する精度検証を行った.津波予報区レベルの広域津波解析を実施した結果,従来の3倍以上の効率化が達成でき,全国一律の即時津波浸水予測の実現可能性を示した.