抄録
東北地方太平洋沖地震で被害のあった実環境での解析に基づいて,平面2次元津波解析における信頼性の高い,市街地での建物影響のモデル化手法の検討を行った.個々の建物を地形起伏として与え,スパコンを用いて,3種類の解像度5 m, 1.67 m, 55.6 cmで解析を実施したところ,解像度の増加に対して収束した解を得るためには1.67 m程度が必要であった.また,より実用的な解像度である5 mで,解像度55.6 cmの解析と同様の結果を得るための手法を検討した.その結果,建物の影響を建物位置での抗力として考慮する手法が有効であり,適切な抗力係数を与えることで流況が異なるケースに対しても普遍的に適用可能であることが分かった.