2017 年 73 巻 2 号 p. I_1117-I_1122
波浪場における土砂移動は表層流速による掃流力と地盤内水圧変動による透水力が複合的に作用する複雑な現象である.本研究では,造波水路実験を用いて波浪場の土砂移動現象を詳細に観察することを目的とし,フルード相似則と漂砂の相似則を適用した実験条件による波浪場の地盤内応力変化の再現性について,u-p formulationを用いた数式解との比較により妥当性を検討した.Prototypeの地盤材料に近い豊浦砂を用いた場合,地盤内の応力変化を再現できないことがわかった.一方で,Prototypeに対してDean Numberを適用した硅砂8号を用いた場合,地盤深度の各点において数式解により得られた値と非常に近い過剰間隙水圧比の値が得られており,波浪場における地盤の応力変化を適切に再現できることを明らかとした.