土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
堆積泥中のイオンや有機物量が液性限界値に及ぼす影響
鈴木 貴博森本 優希日比野 忠史中下 慎也
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_1255-I_1260

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抄録

 汽水域や海底のヘドロ化の改善には底泥の循環機構を解明する必要があり,泥の巻き上がりやすさを把握することは非常に重要である.本研究では限界せん断応力と相関のある液性限界値に着目した.電気化学的な要因と液性限界値の関係に着目し,有機泥に吸着する陽イオンや間隙水のイオン強度と液性限界値の関係について検討した.実験結果より,液性限界値は吸着イオン量の変化による影響を受けないこと,間隙水のイオン強度が大きいほど液性限界値が低くなることがわかった.また,有機物量と液性限界値の関係としては有機泥の乾燥重量1 gに対して濃度30%の過酸化水素水を1 mL,2 mL加えることで,液性限界値が42%,47%低下し,有機物量を減らすことで液性限界値が大幅に低下することがわかった.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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