2017 年 73 巻 2 号 p. I_181-I_186
本研究は,異なる波浪・高潮結合手法が台風Haiyanの高潮浸水高に及ぼす影響を調べたものである.波浪依存海面抵抗と波・流れ相互作用による底面抵抗を用いた場合の方が,波浪依存海面抵抗のみを考慮した場合および最近提案された経験式による海面と底面抵抗係数を用いた場合よりも観測値との平均誤差は90 %程度まで減少した.また,波浪依存海面抵抗係数と波・流れ相互作用を考慮した底面抵抗係数を用いる場合には,25 m/sの風速による制限を用いることが適切であることがわかった.また,検討結果より波・流れ相互作用を考慮した底面抵抗係数をマニング粗度係数へ変換すると,約0.02程度であることがわかった.