2017 年 73 巻 2 号 p. I_271-I_276
著者らは,一般的な造波水路を用いて実際に近い多様な津波を再現できる,電動式スルースゲートの津波造波装置の開発を進めている.実験条件に合わせた任意波形の造波には,ゲート開度等の制御データを作成する必要があり,現状では実験を繰返して任意波形に近づける合わせ込み調節を行っている.そのため本研究では,電動式スルースゲートの制御データの効率的な作成手法の開発を目的とし,1次元数値計算モデルを用いた繰返し計算により制御データを作成する段波造波用制御モデルを提案した.本研究で提案した段波造波用制御モデルは,任意津波波形の入力から,段波先端部の分散波第1波波高および段波波高を実験で再現できる制御データを出力できることを示した.