2017 年 73 巻 2 号 p. I_745-I_750
既往研究によれば,森戸川河口に隣接する西湘PA沖の-100 m付近には海底谷谷頭部を縁取るほぼ垂直に切り立った崖があり,また,森戸川河口沖の海底谷の西端と東端の急斜面上には海底谷へと続く流跡模様が残され,その状況から海底面を土砂が滑り落ち,海底を侵食しつつ流れ下っていると推定された.しかしこれらと海岸から深海への土砂落ち込みとの因果関係は明らかでなかった.本研究では,BGモデルを用いた数値計算により,海底谷谷頭部では急勾配斜面を経た沖合への土砂落ち込みが起こり得ることを示した.