2017 年 73 巻 2 号 p. I_937-I_942
本研究では,消波ブロック被覆堤の消波工を対象として,まず消波工の断面変形にともなう波力低減性能と越波低減性能の変化について,水理模型実験および数値計算により評価を行った.さらに実験と計算の結果にもとづいて,ニューラルネットワークを利用した水平波力と越波流量の予測モデルを構築し,その適用性を検討した.消波工の天端沈下を伴う変形が大きくなると,防波堤鉛直面に作用する波圧・波力が大幅に増加し,水平波力は最大で初期断面時の約3.7倍となった.越波流量も断面変形の進行にともなって増加するが,変形がある程度よりも大きくなると頭打ちもしくは若干減少した.また,水平波力の予測結果は±40%,越波流量は±10%の誤差範囲内に収まっており,ニューラルネットワークによる予測モデルの適用性が確認された.