2018 年 74 巻 2 号 p. I_1087-I_1092
設計規模を超える波浪で生じる海側の洗掘によって,堤防表法先の基礎工や表法被覆工が被災する現象に焦点をあて,移動床水理模型実験により海岸堤防の損傷軽減に資する粘り強い構造の検討を行った.実験の結果,海側の洗掘に対して粘り強い海岸堤防の構造としては,(1) 堤防表法先の基礎工の下部に矢板や地盤改良工を設置し根入れ長を確保する方法,(2) 堤防海側近くの海浜の表面に粗礫相当の養浜工で薄く被覆して洗掘を抑制する方法,(3) 基礎工付近を覆うように中礫相当の養浜工を設置して洗掘を抑制する方法が効果的であった.