2018 年 74 巻 2 号 p. I_1093-I_1098
本研究では,遠心力場の水路を用いて,砂の吸出し現象に着目した消波ブロック被覆堤の波浪実験を行い,既往の大規模実験と比較するとともに,マウンド下部地盤からの砂の吸出しが発生する条件を調べている.実験は大規模実験の1/38模型を遠心力場38g場で行った.遠心模型実験では,円筒水路を回転させることにより遠心力を作用させるが,同時にコリオリ効果も受ける.はじめに水路内に作用するコリオリ効果を考慮した入・反射分離法を新たに導いた上で波浪検定を行い,実験の入力波浪を決定した.消波ブロック被覆堤の実験では,地盤材料や流体を変化させることで,マウンド内レイノルズ数,地盤-マウンド間の浸透流の動水勾配,粒子の沈降速度のそれぞれに着目した実験を行い,マウンド下の砂の吸出し発生に対するこれらのパラメーターの重要性を示した.