2018 年 74 巻 2 号 p. I_295-I_300
港内側のマウンド天端が干出する防波堤における津波越流時の被覆ブロックの安定性を検討した.水理模型実験の結果,主たる被災形態はマウンド斜面に沿う速い流れによるブロック全体の滑動であり,法尻部に大きな質量のブロックを設置して滑動を抑えることが効果的であることがわかった.また,浸透流によりブロックの安定性が低下することも確認された.数値解析の結果,港内側の静水面上の広範囲のブロックには大きな流体力が作用するが,水面下のブロックに作用する流体力は小さいことがわかった.そのため,港内側の水面の高さが安定性に大きく影響する.さらに,数値解析により求めた流体力を用いて,斜面全体の力のつり合い式により安定性の評価を試みた.