2018 年 74 巻 2 号 p. I_787-I_792
河口部を含む汀線変化をシミュレートする際には,一定値の河川流出土砂量を河口での境界条件として与える.しかし,実際の河川流出土砂は,洪水時に突発的に供給されて河口テラスを形成し,その後,時間をかけて周辺海浜に回帰・輸送される.しかし,数値シミュレーションにおいてはこの「河口テラス形成」と「周辺海浜への回帰」の二つの物理過程が厳密には表現されてはいない.特に,回帰過程に関してはその詳細も明らかではない.
そこで本研究においては,昨年発生した洪水により河口砂州がフラッシュされた秋田県雄物川を対象に,流出土砂の回帰過程の詳細をUAVによりモニタリングするとともに,現地において見られた特徴的な地形を詳細な室内実験データから検証した.その結果,観測された地形と類似したものが室内実験において再現された.