土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
河口泥水流の挙動と堆積特性に及ぼす細粒分の影響に関する実験的研究
岸本 周平青木 伸一梅田 崇
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2018 年 74 巻 2 号 p. I_781-I_786

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抄録

 本研究は,大規模出水時に土砂が高濃度の泥水流となって河口から海域に供給される場合を想定し,塩水中に泥水流が放出され,土砂堆積を伴う密度流として海域を流下・拡散する際の泥水塊の挙動と土砂の堆積特性を実験的に明らかにすることを目的として行った.周囲水および流入水の条件を種々変えて密度流の挙動を実験的に調べた.特に,塩水流と泥水流の挙動の違い,および泥水流に含まれる細粒分の影響に着目した.その結果,泥水流の場合には,初期に土砂が沈降・堆積することにより流下過程で周囲水より低密度となり,その時点で表層密度流に変化する場合が多いこと,細粒分を含む泥水が塩水に流入する場合はその混合割合によって泥水流の挙動が異なること,細粒分の割合が高い場合には土砂堆積による密度低下が遅れるため,最終的に表層流となる場合でも粗粒分が深部まで輸送されやすいこと,などが明らかになった.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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