土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
海水飛沫粒子を再現した模型実験による構造物への粒子到達過程の推定
中村 文則山口 貴幸神田 佳一下村 匠
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_1153-I_1158

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抄録

 コンクリート橋梁の塩害劣化による耐久性の低下は,コンクリート表面から内部に塩分が浸透することによって引き起こされる.そのため,海水飛沫の発生・輸送過程ととともに,その表面への到達過程の解明が重要となる.本研究では,汀線近傍の大気中における海水飛沫粒子を再現した模型実験を実施し,沿岸域の自然環境を想定した海水飛沫粒子の橋桁表面への到達量と到達粒径について検討を行った.その結果,汀線近傍の海水飛沫粒子を実験施設内で再現できること,風が直接吹き付けるような橋桁壁面には粒径の大きい飛沫粒子が到達しており,橋桁下部の壁面では微小な粒子の到達が卓越していることが明らかになった.さらに,橋桁形状の違いにより,橋桁下部で飛沫粒子の到達量の分布が変化することが示された.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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