土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
東日本大震災時の津波情報の受容状況と津波避難開始に関する分析
新家 杏奈佐藤 翔輔今村 文彦
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_1393-I_1398

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抄録

 本研究では,東日本大震災発災時における津波情報の受信状況と津波避難行動の関係について質問紙調査結果を用いて分析・考察した.分析の結果,次の4つの結果・結論が得られた.1)警察・消防より津波情報を得た回答者の避難開始時間は,情報を得なかった回答者より遅くなった.2)津波の推定襲来時間を情報の内容とした群の平均避難開始時間は早くなり,津波報道における推定襲来時間に関する情報発信の重要性が示された.3)情報源が広報車やラジオのみであった場合,早期に避難を開始した回答者が多かった.4)発表のタイミングが比較的早期の津波情報を受容していた群では避難開始時間が早くなり,発表が比較的遅い情報を受容していた群では避難開始時間が遅くなる傾向が見られた.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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