2019 年 75 巻 2 号 p. I_277-I_282
2018年台風21号は神戸港に上陸して,第2室戸台風による最大高潮偏差と最大有義波高を超える2.78mの最大高潮偏差と4.72mの有義波高を記録した.本研究では,高潮・波浪結合モデルSuWATと経験的台風モデルおよびメソ気象モデルWRFの気象場を用いて,大阪湾における高潮偏差と波浪場を再現することを目的とする.経験的台風モデルとSuWATを用いて異なる台風半径を推定し,3種類の風速制限を波浪依存海面抵抗係数に適用することで,最大高潮偏差は観測値と比べて0.3m以下,最大有義波高は0.5m以下の誤差で推算することができた.さらに,これらの推算方法による結果は,WRFの気象場を用いた推定高潮偏差と推定有義波高の推算により検証された.