2019 年 75 巻 2 号 p. I_619-I_624
皆生海岸富益工区は,現在皆生海岸で最も海岸侵食が激しい箇所である.人工リーフの設置およびサンドリサイクル事業を実施しているものの,依然として侵食傾向を示している.本研究では,富益工区の海浜地形の安定化を図ることを目的として追加の侵食対策案を検討した.3次元海浜変形モデルにより富益工区周辺の地形変化予測結果等から,人工リーフ改良(天端嵩上げ案)を汀線維持の効果が高い対策として抽出した.1基改良後に来襲した台風1721号による高波浪の作用に対して改良背後の地形は,未改良箇所と比較して汀線の前進,土砂堆積傾向が確認でき,人工リーフの改良は有効であることが示された.