2019 年 75 巻 2 号 p. I_787-I_792
長周期波対策マウンド構造物の反射率について,計501データからなる既往の実験結果を再整理した上で汎用的な反射率推定式を案出し,その適用性を検討した.長周期波の反射率は,マウンドの幅および天端高,被覆層厚,遊水部の有無などの構造諸元や,波高・周期等の波浪諸元等により複雑に変化するが,本推定式ではこれらの影響を考慮することで,幅広い条件に対して統一的に適用でき,かつ容易に反射率を推定することが可能である.本推定式は,静水面における堤体幅B0と遊水部幅Bs0の和で定義した代表堤体幅と波長Lとの比を主パラメーターにとり,副パラメーターとして波形勾配H/L,中詰め石材層の天端上水深と水深との比ha/h,マウンド天端高と水深の比hc/h,遊水部幅と代表堤体幅の比Bs0/(B0+Bs0)の4つの無次元数を採用した.