2020 年 76 巻 2 号 p. I_223-I_228
過去数十年間の台風を対象として,台風中心から2つの等圧線上の計8地点までの距離資料と中心気圧資料をMyers式およびHolland式に適用して台風半径等の資料を得,さらに既往の5種類の気圧資料に対する結果と合わせて中心気圧差との関係を包括的に調べた.台風半径資料はいずれも大きなばらつきを伴うけれども,その小区間別平均値は中心気圧差とともにごく緩やかな増加を経たのち急増する特徴を与える.ついで,台風中心から2等風速線上の計4地点までの距離資料と最大風速資料をMyers式に基づく傾度風モデル(台風の移動を考慮)により解析し,台風半径等の資料を得た.台風半径は中心気圧差に関してJWA気圧資料の台風半径と概略で符合するが,気圧資料の場合ほど急増しない.