土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
津波波源モデルにおけるすべり量とライズタイムとの関係に関する検討
加藤 勝秀森 勇人佐藤 嘉則松山 昌史
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_355-I_360

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抄録

 Mw9クラスの巨大地震の津波解析において,断層のすべり量とライズタイムは,いずれも最大津波水位に影響を及ぼすパラメータであり,巨大地震ではライズタイムが長く津波の発生・伝播過程に影響を与えやすいことを踏まえると,それらをパラメータの組合せとして検討することが重要と考えられる.本研究では,断層のすべり量に関わる海底の隆起量と,断層のライズタイムに関わる海底の隆起継続時間との関係について,長波理論に基づき一定の最大津波水位をもたらす海底の隆起量と基準化した海底の隆起継続時間との関係式を導出した.また,2011年東北地方太平洋沖地震等の津波波源モデルを用いた津波解析と導出した関係式とが整合することを確認し,この関係式に基づき最大津波水位の観点からすべり量とライズタイムの組合せを整理できることを示した.

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