土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
子吉川河口域で発生する塩分遡上に関する検討
渡辺 一也谷口 隼也齋藤 憲寿小林 遼馬古仲 陽穂
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_79-I_84

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抄録

 子吉川では農業用水としての水利用が盛んになされており,本荘平野は良質な米を作り出す産地として知られている.農業と比べて割合は少ないが水道および工業用水としても利用されている.しかし,子吉川では渇水による水不足により塩分遡上が発生する.その遡上距離は河口から10kmにも達し,遡上時においては由利本荘市子吉地区までが揚水不能となっている.そのため,塩分遡上に関してその状況を把握し,遡上の条件について検討することは非常に重要である.

 そこで,本研究では秋田県の一級河川である子吉川を対象として塩分遡上と流量・波高などの外力との関係について検討を行った.結果,流量が低下する夏季において塩分遡上が多く見られることが確認された.しかし,塩分遡上と来襲する波との相関については明瞭な関係性が見られなかった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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