2021 年 77 巻 2 号 p. I_355-I_360
加越沿岸の広域流況や石川海岸の砕波帯沖の流れの季節変化と影響外力との関係について,長期海洋再解析値と定点観測記録を用いて分析した.加越沿岸では対馬海流の影響を受けて大規模な北東方向の流れが陸棚上で発達し,季節変動する様子が認められた.水深15m地点でも海岸線に沿う北東方向の流れが卓越し,風や波が弱い春季・夏季の砕波帯沖の流れの形成・発達には陸棚上流れの影響が大きいと推定された.流速の月変化は,波エネルギー,風速および陸棚上流速で概ね説明可能であり,秋季に起きる沿岸方向流れの減衰や南西方向への反転は,風や波の南西方向成分の増加と陸棚上流れの減衰の複合的な要因によると考えられた.砕波帯沖の流れの数日以上の時間スケールの変動成分は海洋スケールの風や流れの影響が大きいと推察された.