土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
砂の締固めが養浜形状変化に及ぼす影響に関する実験的研究
鈴木 崇之吉村 那月比嘉 紘士中村 由行
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 77 巻 2 号 p. I_589-I_594

詳細
抄録

 海岸侵食対策として養浜事業は多くの地域で実施され,また,養浜の粒径や構成比,位置などに着目した室内実験も合わせて行われている.しかし,養浜部の地形変化に対する初期の締固め度合いの寄与がどの程度であるのかについての検討はまだ十分とは言えない.そこで,養浜部の初期締固め度合いを変化させ,この違いが遡上波による養浜部の地形変化に対する影響を明らかにすることを目的とした室内実験を実施した.その結果,養浜部の締固め度合いが小さいほど造波直後の地形変化(侵食)が大きく,最大約2倍の侵食速度差が生じた.波が養浜部を越える場合,養浜水面側については締固め度合いが流出量に与える影響は小さかった.また,波が養浜部を越えない場合,実験後の地形形状が同様であっても残存地形の締め固め度合いは異なることがわかった.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top