2021 年 77 巻 2 号 p. I_691-I_696
新型人工リーフの水理特性について,現地観測データを基に検討を行った.新型人工リーフは入射波が大きいほど乱れによる消波効果が高くなり,波高および周期が低減されることが確認された.水位上昇量は従来型人工リーフの断面実験結果の1/4~1/3であり,天端上で沖向き流れが生じることにより岸側の水位上昇が抑制されると考えられる.人工リーフ群岸側では沿岸流が卓越し,人工リーフ群の中央部では波向に対応した沿岸流が発生する.ただし,端部では人工リーフ群から流出する流れが発生しやすく,地形変化が生じやすい可能性がある.