2021 年 77 巻 2 号 p. I_703-I_708
高天端人工リーフの安定性は,被覆ブロック構造で松田ら1)など一部の既往研究が存在するものの,消波ブロック構造での研究事例はほとんどない.本検討は,断面二次元固定床実験を実施し,検討事例が少ない高天端人工リーフの被災形態を分析,堤体安定性の検討を行った.その結果,1)捨石マウンドの沖側法肩部分での被災に伴い,ブロックの安定性が損なわれる危険性があること,2)高天端人工リーフは,戻り流れにより被災する場合が多く,必要ブロック質量はハドソン式で算定した値よりも大きくなること,3)高天端人工リーフにおいて,乱積では有脚軸型ブロックより放射型ブロックの方が安定性が高い可能性があること,4)本実験と既往研究から,人工リーフの安定性が最も危険となる条件が,潮位と天端高が一致する場合であることが示唆された.