2022 年 78 巻 2 号 p. I_1003-I_1008
着床式洋上風力発電施設の設計では,風と波の作用方向は同一であることを仮定して施設の応答を評価する場合が多い.しかしながら,施設の建設海域において風と波の作用方向が同一となる場合は限られているとともに,気象海象条件によっては応答値を過小評価する可能性がある.そこで本研究では,着床式洋上風力発電施設を対象に,風と波のミスアライメントが施設の応答に及ぼす影響について検討した.その結果,風方向に対しては風向と正対する方向(風車ロータ面の背面側),風直交方向に対しては風車の側方から波が作用する場合に,風車応答における風と波のミスアライメントの影響が顕著となることや,浅海域に着床式洋上風力発電施設を建設する場合,波特性だけでなく風と波の方向性についても十分留意することが重要であることがわかった.