2022 年 78 巻 2 号 p. I_1009-I_1014
カーボンニュートラル実現に向けて洋上風力発電施設の拡充が社会的課題になっているが,その敷設を巡る日本特有の問題として,建設に際して漁業権者の同意を得る必要性が挙げられる.合意形成促進のために施設設置によって強化される鉛直混合による海洋表層への栄養塩供給とそれに伴う「漁礁効果」を定量的に評価する総合的なシステムの開発を最終目的に,システムのコア部分を構成するROMS-NPZD広域流動・生態系予測モデルの概要を紹介し,洋上風力発電施設の適地評価に向けた海域ごとの空間評価方法について検討した結果を報告する.