2022 年 78 巻 2 号 p. I_1015-I_1020
本研究は,両端を岬に囲まれたポケットビーチである神奈川県鎌倉市由比ガ浜海岸を対象に,海岸に設置されたwebカメラによる49,551枚の撮影画像にAIを適用してサーファーの利用状況をデータ化することで,長期間にわたる砕波点や海底地形をモニタリングする手法を提案した.本手法により砕波点を算出し,砕波点のXY座標と日付との相関をとったところ,X座標に小程度の相関があり,期間中におよそ15m東側にバーの頂部が移動したと考えられた.また波高の増大とともに砕波帯は約100m沖方向へ移動し,さらに30m東方向に移動したことから,ポケットビーチ中央付近に浅瀬が形成されていたと考えられた.このように,本手法は,長期間における砕波点(バー頂部)の平面的な変動や海底地形の特徴を把握することができると考えられた.