2022 年 78 巻 2 号 p. I_1063-I_1068
マルチスペクトルカメラを搭載したUAVを用いて,海岸漂着プラスチックごみの現地調査を実施した.木くずごみやプラスチックごみの多い海岸において,スペクトルの標準偏差などの3つの指標を組み合わせて用いることにより,不透明プラスチックの検出が可能であることや,ごみの分布域が波浪前後で大きく変化することを見出した.これにより,調査に労力がかかる海浜漂着ごみの分析において,広域を短時間で効率的に調査する実用的な手法を確立することができた.漂着ごみの多い領域ではマイクロプラスチックが多数確認され,太平洋に面して比較的ごみが少ない高知海岸においてもレジンペレットを含む一次マイクロプラスチックによる海岸・海洋汚染が進んでいることが明らかとなった.