2022 年 78 巻 2 号 p. I_937-I_942
港湾施設や海岸保全施設の設計波高の気候変動による将来変化について,d4PDFを用いた推定手法を提案した.d4PDFの膨大なデータを対象としたWAVEWATCH IIIによる波浪計算の効率化のため,SMB法による絞り込みにより計算負荷を0.1%程度まで減少できた.また,台風と温帯低気圧を要因とする波高に対して異なるバイアス特性を確認し,実測波高と過去実験の計算波高からクオンタイルマッピング法により,台風と温帯低気圧を同じ枠組みでバイアス補正する方法を提案した.これらの方法により,北海道の3港について50年確率波高の将来変化を確認したところ,将来4度上昇実験において,現在気候より波高が2~9%増大すると評価できた.