コミュニケーション障害学
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失語症の言語訓練:どのように,どのくらい行うのか
中村  光
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 39 巻 3 号 p. 167-172

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抄録
本稿では,近年の失語の言語訓練について3つの側面から論じた。まず,訓練効果のアウトカムとして,SLTA など機能障害の指標だけでなく,コミュニケーション活動制限の指標も重要であることを指摘し,日本における現状について述べた。次に,「どのように訓練するか」として,近年の訓練方法を「言語機能アプローチ」「コミュニケーションアプローチ」「心理社会的アプローチ」「新しいアプローチ」に大別して概要を述べた。最後に,「どのくらい訓練するか」として,CI 失語療法を紹介しながら,訓練量と失語の回復の関係について文献レビューの結果を述べた。週あたりの訓練が6〜7時間以上であると,2時間程度より回復を促進するようであった。一方で,intensive な訓練は患者の負担にもなり得るので,よりいっそう,患者との共同意思決定が大事であると論じた。
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© 2022 日本コミュニケーション障害学会
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