一般財団法人大学教育質保証・評価センターは,2019年8月21日に大学を評価対象とする機関別認証評価機関として文部科学大臣により認証され,最初の2か年度において合計12大学の評価に取組んできた。本稿では,認証評価制度が始まってからすでに三巡目の評価が取組まれていた時機に,一つの大学団体が,重要な受審先の評価事業の廃止への動きを危機と捉え,受審大学の立場から大学の質保証や認証評価の課題に取り組んだ経緯を振り返る。そのうえで,周回遅れで設立に至った新たな認証評価機関の評価の姿を概括し,新たに見えつつある認証評価制度の可能性について展望する。