海の研究
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総説
南極域における観測データの再現性の高い数値モデルの開発と海洋棚氷相互作用の研究
中山 佳洋
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キーワード: 南極, 南大洋, 棚氷, 周極深層水
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2020 年 29 巻 6 号 p. 233-244

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抄録

従来,南極氷床は安定で質量は大きく変動しないと考えられていた。しかし,過去20年程度の各国の研究によって,南極大陸の氷の損失が年間約0.3 mm 程度の海面上昇に寄与していることが明らかになってきた。南極沿岸域の大陸棚上へ流入する高温の水塊が,棚氷を融解/ 薄化させ,南極大陸から海への氷の流出を加速させているためである。特に,南極の氷損失の70%以上がアムンゼン海東部で起きているとされ,国際的な協力によって,この海域の氷床/ 海洋観測が重点的に行われてきた。こういった背景のもと,南極域の海洋モデル開発において,「限られた観測データを利用する」という従来の方式だけでなく,「観測データと数値モデルを統合的に利用し,過去の観測をできるだけ再現できる数値モデルを開発する」という流れが生まれつつある。本稿では,海洋と棚氷について考える上で重要な,(1)高温の水塊の陸棚上への流入,(2)棚氷の融解,(3)棚氷融解水の流出について,著者の研究を含めて紹介する。さらに,観測データと数値モデルを統合的に利用した研究という観点から,今後の方向性について議論する。

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© 日本海洋学会, 2020年
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