海の研究
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総説
海洋学の10 年展望2021:極域
川合 美千代 田村 岳史渡邉 英嗣西岡 純野村 大樹真壁 竜介溝端 浩平安中 さやか
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2021 年 30 巻 5 号 p. 159-178

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抄録

今後10年に我が国が取り組むべき極域研究について,海洋学の視点から論じた。気候変化への極域の応答とフィードバックを明らかにするための重要課題として,両極共通の重要プロセスである中緯度からの海水輸送,海氷を介した物質輸送と生物生産,沿岸域の熱輸送と物質循環の定量化に加えて,北極海では海氷減少に関連する環境変化のメカニズム,春先の急激な季節変化,南大洋では東南極での大気-海洋-海氷 氷床結合システムの理解を取り上げた。さらに,今後の極域研究の進展のため,自国の砕氷船,自律型無人潜水機の活用に加えて,研究用潜水艇,海底観測基地,沿岸観測タワーの建造と,オホーツク海とサロマ湖の海氷域研究基盤としての利用,数値モデルの改良について提案した。

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© 日本海洋学会, 2021年
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