海の研究
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総説
海洋ネガティブエミッション技術としての海洋アルカリ度強化についての研究動向
鈴木 淳 井口 亮鈴村 昌弘山岡 香子青木 伸行森本 慎一郎保高 徹生
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2026 年 35 巻 4 号 p. 85-112

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抄録

炭酸塩やアルカリ物質を海洋に散布して,海洋の酸性化を緩和し,CO2吸収能を回復向上させようとする海洋アルカリ度強化について解説する。海を利用したネガティブエミッション技術のうち,沿岸生態系におけるブルーカーボンによる海洋CO2吸収機能促進が社会的に広く認知されているのに比べて,海洋アルカリ度強化については,国内での認知度は極めて低い。ブルーカーボン手法は,大気海洋のCO2を有機物の形で吸収固定を目指しているのに対し,海洋アルカリ度強化は,大気海洋のCO2を海水中の炭酸水素イオン(HCO3)の形で吸収・隔離しようとするものである。小規模実験系を構築して,海洋アルカリ度強化における素過程の解明と最適設定の探索,CO2削減効果の評価,現場実施を見据えた環境影響評価及び社会受容性の観点から総合的な検討を行い,今後の海域での実証試験に備えることが急務である。

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