太平洋における深層の力学的高低図
1970 年 26 巻 6 号 p. 331-339
詳細
1970 年 26 巻 6 号 p. 331-339
3000db以深のバロクリニック構造を検討してから, 最近の資料を用い3000dbを基準にして, 太平洋における1000, 1500および2000dbの力学的高低図を作製した. 高緯度海域と西側境界流域とでは, かなりの起伏が1000と1500db面で存在し, 南極環流は2000db面でもなおよく発達している. これらの海域では, 推定された地衡流系が表面流系が表面流系とよく似ている. 1000db以深の状態を無視すると, 上述の海流の流量の見積りにはかなりの誤差が生ずる. しかし, 表面近くの流れの方向には本質的な変化はみられず, 計算流速にも大きな誤差は起らない. 熱帯および中央北太平洋には, 起伏はほとんどなく, 一般的傾向は表層流とは似ていない.
この記事は最新の被引用情報を取得できません。
