日本海洋学会誌
Online ISSN : 2186-3113
Print ISSN : 0029-8131
ISSN-L : 0029-8131
南九州沖の黒潮の小さな「引金」蛇行
ソロモン ハロルド
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 34 巻 3 号 p. 81-84

詳細
抄録

潮岬沖に黒潮の大蛇行が時々起るが, 1959年と1969年には九州の東の小さな「引金」蛇行が潮岬の大蛇行に先行した事は, すでにS.YOSHIDA (1961), SHOJI (1972) により報告されている.それ以外に, 1963年には1959年から起っていた大蛇行が衰退したが, この時も九州東の小さな「引金」蛇行がその衰退に先行した.そして最近, 1975年に大蛇行が起って, 1977年の5-7月には海流輪 (current ring) が大蛇行から分離したが, いずれの場合も九州東の小さな「引金」蛇行がこれらに先行した.要するに, 1959年以来潮岬沖に黒潮の大きな長期的な変動が起った時には九州東の小さな「引金」蛇行がかならず先行している.九州沖に小蛇行を起す条件がわかれば, それは潮岬沖のもっと大きな蛇行の原因の究明に貢献するかもしれない.その一歩として, 1959年以来九州沖の小蛇行をここで参考の為に記録した.

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 日本海洋学会
次の記事
feedback
Top