日本海洋学会誌
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34 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ソロモン ハロルド
    1978 年 34 巻 3 号 p. 81-84
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    潮岬沖に黒潮の大蛇行が時々起るが, 1959年と1969年には九州の東の小さな「引金」蛇行が潮岬の大蛇行に先行した事は, すでにS.YOSHIDA (1961), SHOJI (1972) により報告されている.それ以外に, 1963年には1959年から起っていた大蛇行が衰退したが, この時も九州東の小さな「引金」蛇行がその衰退に先行した.そして最近, 1975年に大蛇行が起って, 1977年の5-7月には海流輪 (current ring) が大蛇行から分離したが, いずれの場合も九州東の小さな「引金」蛇行がこれらに先行した.要するに, 1959年以来潮岬沖に黒潮の大きな長期的な変動が起った時には九州東の小さな「引金」蛇行がかならず先行している.九州沖に小蛇行を起す条件がわかれば, それは潮岬沖のもっと大きな蛇行の原因の究明に貢献するかもしれない.その一歩として, 1959年以来九州沖の小蛇行をここで参考の為に記録した.
  • 手島 新一, 金沢 昭夫
    1978 年 34 巻 3 号 p. 85-92
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    鹿児島湾の海底堆積物について, ステロール成分を詳細にしらべた.ステロールの固定はガスクロマトグラフ法, 硝酸銀含浸ケイ酸カラムクロマトグラフ法, 質量分析法および核磁気共鳴吸収スペクトル法を併用して行なった.
    甲突川河口附近の海底堆積物はコレスタノール, 24-メチルコレスタノール, 24ーエチルコレスタノールなどの5α-スタノールのほかに, コプロスタノールおよび24ーエチルコプロスタノールなどの5β-スタノールを含んでいた.海底堆積物中におけるこれらの5β-スタノールの存在は屎尿による海洋の汚染を示唆した.
  • 杉村 行勇, 鈴木 款, 三宅 泰雄
    1978 年 34 巻 3 号 p. 93-96
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    海洋に存在する微量金属元素の化学形を明らかにするため, XAD-2樹脂を用いる, 海水中の溶存有機化合物の, 新分離分析法を研究した.本方法によって, (1) 溶存しているV, Fe, Cd, Cuは, 深さにかかわらず, 全量の80%以上が有機態で存在している.(2) Co伴Pbは, 表層付近では大部分が有機態であるが, 深層では, その50川60%が無機態に変る.(3) A1, Ni, Zn, Ag, MolおよびUの全溶存量のうちで, 海洋ではその30%以下が有機態として存在するにすぎない.(4) Seは45%まで有機態として存在している.
  • 山形 俊男
    1978 年 34 巻 3 号 p. 97-104
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    密度一様の回転流体中の慣性定常波動によって, 回転軸に垂直な壁面上に励起されるストリーミングの構造を, 漸近展開の方法を用いて調べた.ストークス境界層内のレイノルズ応力の発散によって駆動されるこのストリーミングは, 非回転系の場合と異なり, コリオリカの作用で流体内部に浸透できないことが示される.
  • 永田 進一, 近藤 五郎, 浅野 智之
    1978 年 34 巻 3 号 p. 105-107
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    10種類の海洋微生物を用いて, それらの油分解能を検討した.ガスクロマトグラフィーの結果からは, これらの菌をその分解度に従って四つのグループに分けることができた.しかし, 芳香族化合物に対しては, 全体的に平均化した分解率を与えた.
  • 松本 英二, 横田 節哉
    1978 年 34 巻 3 号 p. 108-115
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    The accumulation rates of sediment cores in Osaka Bay have been determined by using 210Pb dating technique. In the upper 10 cm 210Pbex contents show a constant value with depth. The accumulation rates below the homogeneous layer of sediments ranging from 0.12 to 0.61 cm y-1 (0.067-0.34 gcm-2y-1) were obtained. The higher contents of Zn, Cu, Pb and Cr were observed in the upper 10 to 30 cm of sediments. Assuming that the increment of heavy metal content in sediments is due to anthropogenic origin, the amount of anthropogenic input of heavy metals into sediments were estimated to be 1, 300-2, 700μg cm-2 for Zn, 150-480 for Cu, 360-410 for Pb and 320-480 for Cr. The increment appears to start about 100 years ago. In surfical sediments most of heavy metal contents exceeded the background content, and thenmost part of Osaka Bay is polluted by heavy metals.
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