日本海洋学会誌
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半地衡性重力波とその岸に沿う密度流の侵入への適用
1. 半地衡性重力波
久保川 厚花輪 公雄
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1984 年 40 巻 4 号 p. 247-259

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抄録

ポテンシャル渦度が有限でかつ空間的に一様な, 海面上に密度前線をもつ沿岸密度流に付随する半地衡性重力波 (Semigeostfophic gravity wave) について調べた. その結果, 沿岸密度流には2種類の半地衡性重力波が伴うことが判った. 本論文では, この2種類の波動を半地衡性沿岸波 (SCW) および半地衡性前線波 (SFW) と名付けた. SCWはある極限でケルヴィン波に一致する波動であり, SFWは前線の存在に本質的に帰因する波動である. 前者は岸での上層の厚さと前線での岸に沿う方向の流速変動として主に現われ, 後者は海流の幅の変動として主に現われる. また, これらの波動は弱非線形性と非地衡性を考慮するとKortweg-de Vries方程式に支配されることを示した. このことは, 沿岸密度流の局所的な変動が波動状擾乱として伝搬しうることを示唆している.

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