1984年3月から7月まで台湾海峡で行なった係留測流によって, 当海峡の流れは従来言われていたように夏季, 冬季とも北向きであることを確認した. 観測された流れは約27cm sec-1の北向きの定常流, 風向の季節的反転 (季節風) に伴う周期20日以上の長周期変動および冬季にのみ出現する前線の通過に伴う周期3-20日の短周期変動の3成分で構成される. したがって, 海峡南端域に季節変動しない永続的な駆動力源があって, これが季節に関係なく定常的な北向きの流れを維持していることになる.台湾海峡の流れの季節的な相違は風速場の季節的な違いによって引き起こされたものである.
この記事は最新の被引用情報を取得できません。