日本海洋学会誌
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瀬戸内海における巨視的浮遊性大型粒子 (NUTA) の諸特性について
門谷 茂三島 康史岡市 友利
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1991 年 47 巻 6 号 p. 276-285

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抄録

巨視的サイズの浮遊性大型粒子 (NUTA) は, 春, 秋の植物プランクトンのブルーミングや赤潮が発生した後などに多く見られることが知られている. このNUTAはロープや漁網などに絡まることがよく観察されているので, この現象を利用して採取する装置NUTA Trapを開発した. NUTA TrapによるNUTAの捕集量は変動幅は有機態炭素で23%, 有機態窒素で25%程度であることがわかった. このNUTAの化学的性質および鉛直分布は採水器により採取される懸濁粒子とは大きく異なっていた. C/ATPおよびC/Ch1αの比較などから, NUTAは植物プランクトンをほとんど含まない粒子群であることがわかった. 化学的キャラクタリゼーションを行った結果からNUTAは懸濁粒子と沈降粒子の中間的な性質の粒子であることが推察された. またNUTA Trapの捕集効率などの計算からNUTAの現存量は懸濁粒子全体の数10%程度を占めていると考えられた.

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