日本海洋学会誌
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南氷洋捕鯨と海況に就て
下村 敏正
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1950 年 5 巻 2-4 号 p. 94-98

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抄録
1. 1946年12月26日~1947年3月15日の82日間南氷洋捕鯨操業區域内 (151~166°E、63~66°S) の捕鯨能率と海況との關係を調査した。
2. 捕鯨能率は低緯度海面よりの南下流 (3本) の先端部に於ては1日平均13頭、夫以外の所では6頭平均で朱端部が最も優れた漁場なる事を知つた。
3. 1の如き極く小範園内に於てはPlankton量、水色、透明度と鯨群の大小との間には相關々係は見られなかつた。
4. 斯る最も優秀な極く小區域の好漁場は又位置的にはClose packの形成する灣内に在る事が判つた。
5. 依而探鯨の第一歩は先づClose packの形成する灣の發見に指向せらるべきである。
6. 海鳥の群の大小との相關々係も調べたが、観測條件不良のため共存在を確かめ得なかつた。併し必す存在する筈である。
7. 諸般の事項特に100米層附近のEuphausldaeの生態に就き、今後更に継続的な調査の続行が衷心希求される。
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