2001 年 27 巻 5 号 p. 574-580
サイクロンの捕集箱入口に設置した円錐体の効果及び新形式サイクロンを用いた高精度分級径制御に関して,実験及びシミュレーションにより検討した.サイクロン捕集箱入口に設置した円錐体は,捕集箱内部の気流を減衰させ,一度捕集箱内へ入った粒子の再飛散程度を低減できる.
その結果,円錐体を設置したサイクロンの分離径は,設置しない場合よりも小さくなり,実験値は数値シミュレーション結果とほぼ一致した.
捕集箱入口に設置した円錐体の外周に特殊形状のリングカバー部を設けた新形式のサイクロンでは,分級径を2~40μmの広い範囲で高精度に移動することができる.
ブローアップによる粒子の分離径移動に関しては,サイクロン流入部から入った流体の捕集箱内への流入程度と関係している.可視化実験より,捕集箱内への流体流入程度が少ないと分離径が大きくなった.