化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
分離工学
化学吸収法による火力発電所排ガス条件下の炭酸ガス分離・回収時のアミン口スの削減
三村 富雄野条 貴司飯島 正樹光岡 薫明
著者情報
ジャーナル 認証あり

2001 年 27 巻 5 号 p. 588-592

詳細
抄録

排ガス量555m3/hの条件下で高さ約25mのパイロットスケールの吸収塔を用いて,LNG火力発電所排ガスに対する炭酸ガスの分離・回収を行った.とくに回収システムから外部に放出されるアミン量と運転条件の関係および吸収塔水洗部二段化のアミン口ス量に及ぼす効果について実験的に検討した.その結果から吸収塔ガス温度を下げれば吸収塔出口アルカリ濃度が下がること,また,水洗部アルカリ濃度が低い時に吸収塔出口アルカリ濃度が下がることを確認した.
次に設備面では水洗部2段化が吸収塔出口アルカリ濃度の低減に著しい効果があることを確認した.このようなアミン口ス低減により,アルカノール系ヒンダードアミンである吸収剤KS-1について吸収塔出口アルカリ濃度が2.3~10.4ppm,平均アミン口ス量が0.11gアミン/kgC02ときわめて少なくなり良好な結果がえられた.このようなアミン口スは従来と比べて約1/20のレベルであり,環境面とコスト低減面で望ましい効果を与える.

著者関連情報
© 2001 公益社団法人 化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top